【性ホルモンを学ぶ】①その不調、男性更年期障害かも 夫婦で知りたいチェックリスト | 日本メンズヘルス医学会

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【性ホルモンを学ぶ】①その不調、男性更年期障害かも 夫婦で知りたいチェックリスト

産経ニュース 2021/12/4 14:00

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 なんだか最近、仕事に対する達成感が得られない。イライラするし、体重も増えた-。コロナ禍で生活が変化するなか、心身に不調を抱える中高年男性が増えているという。加齢を理由に見過ごしがちだが、背景に男性ホルモン低下による「男性更年期障害(LOH症候群)」が隠れているかもしれないと、専門家は指摘する。どんな症状が男性の更年期障害にあたるのか。チェック項目とともに紹介する。

 

■男性更年期障害は「病気」

泌尿器科医で順天堂大学大学院の堀江重郎教授は、順天堂医院泌尿器科のメンズヘルス外来で診療を担当し、日本メンズヘルス医学会理事長も兼ねている。近著に『LOH症候群』(角川新書)がある。

「男性更年期障害は医学でLOH症候群といいます。男性ホルモンであるテストステロンが急激に減り、心身に深刻な症状が起きる病気です」

 性ホルモン低下が原因という点で、女性の更年期障害と同じだが、すべての人が閉経を迎える女性にとっての更年期は、遺伝子に備わった「生命現象」であるのに対し、男性の場合、時期は一定せず、すべての人がなるわけではない「病気」なのだ。

「男性は30代でも80代でも、いつでも誰でも発症する可能性はある。症状が続く期間も長く、放置して治るものではありません」(堀江教授)

 

■70歳くらいまである「性機能」が目安

 男性ホルモンのテストステロンは心と身体の両方に作用する、男女問わず人間にとって基本的なホルモンだ。(詳しくは、心と体に変調が…「国際男性デー」に考える男性ホルモンの働きと影響

 テストステロンが減少した男性には、心身にさまざまな症状が起きる。

 肉体的には筋力低下、内臓脂肪の増加、疲労感、頭痛、めまい、性機能低下など。精神的には意欲低下、いらだち、不安感、性欲減少などだ。(図参照)

図

「特に気にしてほしいのが性機能の低下です。年齢とともに衰えるものですが、一般に70歳くらいまでは性欲や朝立ちはあるものです」

堀江教授が示した男性更年期障害の可能性を測る10項目のリストは次の通り。

 

①性欲が低下した

②元気がなくなってきたような気がする

③体力、もしくは持続力が低下した

④身長が低くなった

⑤毎日の楽しみが減ったように感じる

⑥もの悲しい気分だ、あるいは怒りっぽい

⑦勃起力が弱くなった

⑧最近になり、運動能力が低下したように感じる

⑨夕食後にうたた寝することがある

⑩最近、仕事がうまくいかない。仕事の能力が低下したように感じる

 

①と⑦の両方が当てはまる場合、または3つ以上の項目に該当する場合は、男性更年期障害の疑いがあるという。

専門外来の一覧は、日本メンズヘルス医学会のホームページで紹介されている。

 

■パートナーの目で兆候をつかんで

 男性更年期障害の認知度はまだ低く、男性自身がこの病気に気づくことは難しい。カギとなるのは、配偶者などパートナーの助言だ。周囲の気づきから診察に結びつくケースは少なくないと堀江教授はいう。

 堀江教授によると、パートナーが兆候をつかむポイントは①ベルト、②夜中のトイレ、③笑わない-の3点だ。

 体重が増えて、ベルトを緩めるようになった。これまで就寝中にトイレに行かなかったのに、最近必ず夜起きるようになった。こうした身体的な変化の背景に、テストステロン低下が隠れていることがある。

 さらに精神面の変化で見過ごせないのは、笑顔の消失だ。

 笑顔が出ないのは緊張状態にあることを意味する。テストステロンはリラックスしたときに分泌が促されるため、男性更年期障害になると笑顔が減るのだという。

「テストステロンの分泌には社会的な環境が作用します。分泌を上げるのに効果的なのは、男性自身が認められる場所を持つことです。家族から愛され、リスペクトされることで分泌量も上がります。男性更年期障害の可能性があるときには、パートナーとして、男性を持ち上げて元気にさせてあげてほしいです」

 

連載

>>②男性ホルモン低下を防ぐ 効果的な食事と運動は?

>>③リーダーシップや自立心 女性も元気にする男性ホルモン


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